2015年6月24日、ホテル名古屋ガーデンパレスにおいて、弊社主催、国立大学法人 名古屋大学(以下、名古屋大学)及びインターネットITS 協議会の協賛による「アイサンテクノロジーITS フェア2015」を開催しました。

当イベントでは、「自動走行・安全運転支援」「高精度測位社会」「高精度地図」等をキーワードとするセミナーと技術研究成果を紹介する展示を実施しました。

特にセミナー会場には、国内の自動車メーカー、サプライヤー地図業界等、ITSに関わる120 名ものお客様にご来場を賜り、大変な好評を得る結果となりました。

基調講演では、高精度3次元地図をベースとして、車両搭載センサが車両自己位置をリアルタイムに推定する、自動運転支援技術の第一人者である名古屋大学大学院 准教授 加藤真平様に講演いただきました。本基調講演では、愛知県名古屋市守山区の公道で行っている自動運転の実証実験の内容紹介もあり、弊社が協力しました高精度3次元地図の活用事例を織り交ぜて、自動運転に関わる詳細な情報を紹介されました。さらに会場となったホテル入口のロータリーには、実際に利用している自動運転カーの展示も行われ、研究中の大学院生の方々との意見交換が活発に行われました。

続いて、大規模3次元地図のプラットフォームの構築において、その地図のリアルタイム更新に欠かせないとされるプローブ情報の最新動向について、インターネットITS 協議会事務局長 時津直樹様より、ITSの歴史からプローブ情報の活用、移動体データ銀行、インターネットITS協議会の活動内容を、ユーモアを交えてご講演いただきました。弊社は本協議会に参加しており、同会事業推進戦略会議の「アーバンドライブワーキング」で活動を行っています。(詳細はこちら⇒http://www.aisantec.co.jp/ir/informations/2014/201409001267.html

セッションワーキングでは、高精度測位社会の実現に向けた様々な課題をテーマとした講演が連なりました。

三菱電機株式会社様からは、市場の伸長が見込まれるG空間関連の各種サービス創造に向け、産業競争力懇談会(COCN)にて2014年度に提言をまとめ2015年度にプロジェクトを推進する、「3次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備」及び準天頂衛星関連の技術をご紹介いただきました。「3次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備」のプロジェクトには、モビリティ・ロボット分野ワーキンググループ、ナビゲーション分野ワーキンググループ、社会インフラ分野ワーキンググループがあり、すべてのワーキングに弊社は参加しています。

また、自動走行・安全運転支援には、2018年度の実用準天頂衛星の利活用によるセンチメータ級の高精度測位の実現と、高精度な地図情報が不可欠な技術と言えます。衛星測位技術が、計画されている各種精度向上(補強)方式により、自動車の高精度な位置特定手段として、どこまで利用可能かを見極める必要があります。弊社が採択を受けましたSIP※1: 自動走行システム 衛星測位利活用調査事業において、これら各種精度向上(補強)方式の評価を実施しましたので、弊社からの講演ではその概要報告を行いました。

さらには、世界の約3割もの国では地球上の位置の基準がずれていると確認されており、GPSで計測した位置と地図上の位置の不一致が問題視されています。2015年2月、国連総会では、人々の生活や経済活動において正確な緯度・経度を測ることの重要性を認め、地球上の位置の基準を世界各国で連携して維持する、測量分野ではじめての決議が成されました。元国土地理院研究官である弊社技術顧問 中根勝見は、「衛星測位と地図との位置のズレ」をテーマに講演しました。 これら課題と最新技術についての講演は、内容も濃く長時間にわたりましたが、ご来場の皆様には、熱心なご清聴を賜りました。


名古屋大学大学院 加藤准教授による自動走行に関する基調講演



セッションワーキング講演
・SIP:衛星速利活用調査報告
・産業競争力懇談会(COCN)2015プロジェクト
・精度地図作成の新技術紹介
・「衛星測位と地図のズレ」対策


弊社による⾼精度地図作成の新技術の紹介
60 億点超の3D 点群読み込み可能!
電柱・人・駐車車両等を自動認識し点群を削除編集可能な弊社開発中製品「3D-Wing」も非常に高評価をいただきました。


当イベントの成功は、各方面からのご支援の賜物であり、一般社団法人 測位航法学会※2 会長 安田 明生様、一般財団法人 衛星測位利用推進センター※3 専務理事 中島務様による来賓のご挨拶も頂戴し、セミナー後の情報交換懇親会まで盛況のうちに終わりました。
弊社では、名古屋大学との共同研究をはじめ、高精度測位社会実現の諸課題解決に向けた研究開発を今後も進めてまいります。

 

※1 SIP:科学技術イノベーション実現のため府省の枠や旧来の分野の枠を超えて国が主導し平成25年よりスタートした「戦略的イノベーション創造プログラム(Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)」
URL: http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/
※2 一般社団法人 測位航法学会:日本学術会議の協力学術研究団体指定。測位分野の研究者を結集し、研究開発の裾野拡大と人材の効率的な養成を目指し2009 年に設立。URL: http://www.gnss-pnt.org/
※3 一般財団法人 衛星測位利用推進センター:地理空間情報の高度活用社会の実現に向けた次世代衛星測位利用等の調査研究の推進、事業化の活性化を目指し2007 年に設立。URL: http://www.eiseisokui.or.jp/ja/

 

弊社作成三次元地図データ実装の名古屋大学自動運転カーの実車展示

 


上記、ITSフェアに関するお問い合わせはコチラ

お問い合わせ
 

ITSフェア2015

【基調講演】

 

『ここまで来た、自動運転』

名古屋大学准教授 加藤真平様

『プローブ情報の最新動向』

インターネットITS 協議会 事務局長 時津直樹様

講演内容

1.自動運転のいま

2.名古屋大学の取組紹介

3.ダイナミックマップについて

4.コア技術・ダイナミックマップの紹介

5.自動運転に必要とされる課題

6.自動運転プラットフォームと将来像

名古屋大学 自動運転技術の行動実証実験プロジェクト

名古屋大学 自動運転技術の公道実証実験プロジェクトの詳細は
こちら→ http://www.pdsl.jp/fot

講演内容

1.自己紹介

2.全自動車ネットワーク化へ 

3.自動車の創り出す“新しい価値”(プローブ情報)

4.IIC からの発信“ネット化で可能なこと”

5.次世代に向けたプロジェクト

6.移動体ビックデータと新しい社会送出

7.IIC の新事業創造活動

インターネットITS協議会のHPはこちら
http://www.internetits.org/

【セッション・ワーキング】

 

国連決議(2015 年2 月)にもなった「衛星測位と地図のズレ」対策

アイサンテクノロジー株式会社

技術顧問(元国土地理院研究官)中根勝見

SIP:

自動走行システム 衛星測位利活用調査事業実施報告

アイサンテクノロジー株式会社

産業競争力懇談会(COCN):

3 次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備

産業競争力懇談会(COCN)のHPはこちら
http://cocn.jp/index.html

3次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備

2014年度 プロジェクト 最終報告はこちら 
http://cocn.jp/common/pdf/thema69-L.pdf

三菱電機株式会社

高精度地図作成の新技術紹介/最新トピック等

アイサンテクノロジーMMS関連サイトはこちら
http://www.whatmms.com/

アイサンテクノロジー株式会社